2000年前でさえ

今年に入ってまた小説が面白くなって来た。

とは言っても別に新しく刊行されたものを読んでいるわけではないんだけれど。

1月は梨木香歩さんの「村田エフェンディ滞土録」、オノレ・ド・バルザックの「谷間の百合」を読んだ。

 

どちらも少し昔の時代が舞台になっている。

前者が第一次世界大戦のトルコ、後者がフランス革命あたりだ。

世界史を勉強した上で読んでみると、その時代生活や心理描写が詳細化された風でまた一段と面白い。

これからは好きな時代をもっと掘り下げて、そこからさらに好きな人の本を読んでみようかと思う。

 

各々の小説では以下の言葉が一番ココロに響き渡った。

 

前者ではディミトリスがこう言った。

「私は人間だ。およそ人間に関わる事で私に無縁なことは一つもない」

 

後者ではフェリックスがこう言った。

(傷つきやすい)こうした人達の感性は心の中に深い響きを残しながらたがいに共鳴し、その敏感な性質は常に事物の本質と調和を保ち続けている」

 

―――

 

100年前も150年前もそして遡れば2000年前のギリシア・ローマの時代から現代まで、哲学や思想においてはさほどの進化をしていないらしい。

何時の時代も現代と変わらない優れた考え・言葉がある。

自分と過去の人達が似たようなことを考えている、またはその感性の捉え方を教えてくれることがとても面白い。

 

2000年が経った現代までもその書物が生き残ってこれたのは、それが力強く本物だから。

 

よるば