レグルス、最後の光

今日はターナー展に行ってきた。

前回美術館に行ったのはゴッホの糸杉が来た時だから約1年ぶり。

フェルメールもダヴィンチも行きたかったんだけど気づいたら終わっていた。笑

 

平日だから空いてるかと思いきやお年寄りで多少混雑していた。

序盤はあまり心の琴線に触れるものはなく周りが気になったが、中盤以降は作品の力強さが増しぐいぐいその世界に引き込まれていった。

(序盤から後半にかけて作品の年代が上がっていく展示構成。年を取るにつれて作品の質は向上していく)

 

印象に残る作品は幾つもあったが、特に深く思いの強さを感じさせる作品が3つあった。

1.レグルス(僕は自分の中で勝手に副題「最後の光」をつけた)

2.ヴェネツィア、嘆きの橋

3.平和 -水葬-

 

ちなみに上記は良かった順ではなく閲覧順。

作品の解説はネットで散見される為、略。

(僕は解説よりも感想を書く事が大事だと思っている)

 

ターナーは主に風景画を取り扱っているが、その作品を観ているとこの世界は実はとても美しいんだということを教えてくれる気がした。

大きい作品を前にじっと観た後、目を閉じると絵画の世界の中に入り込むような気持ちになれた。近代ヨーロッパの中へ。

彼はまた海と船を描くのが非常に上手かった。緻密なマストと船体の配下には油彩によるダイナミックな波があった。

そのバランスが絶妙でとてつもなく技量が高いことが僕でも理解出来た。

彼は水彩画の作品の方が多く描いているが僕はやはり油彩が好きだ。迫力がある。彼の場合、その中に繊細さもある。

ゴッホの厚く太いタッチがとても好きだったが彼の緻密さとダイナミクスのバランスも勝るとも劣らないくらい好きになった。

3枚も非常に感銘の受ける作品があればもう立派なファンですね。

 

ターナーは風景画の題材を探す為にヨーロッパを幾度も旅したそう。

特にイタリアに感銘を受けていたようで、それはルネサンスの国だからだ。

ルネサンスを日本語にすると文芸復興で古代ギリシア・ローマ芸術の復活運動を意味する。

芸術はそうやって遡っていく。そしてそこから新しい何かを見つけられた人がターナーやゴッホだ。

僕もアコギを片手に旅をしてみたい。僕なりの何かを強くしたい。

 

失明寸前のレグルスの光は本当に美しかった。最後の光と風景は心の中でここまで昇華されるんだと。

水葬の重たく濃い船の影は世界の透明な空の美しさに際立ちながらも深い悲しみを感じ、心に訴えかける力があった。

それはひょっとしたら人間と自然の摂理に対する諦めなのかもしれない。

最後の作品は湖に落ちる夕日の模様でそこに線は無く多少曖昧で暖かい光と色があった。

世界をこんな風に見れるようになるのなら、老いて死んでいくことも怖くないのかもしれないと思った。