悪の花束

漫画、悪の華が完結してしまった。

粉々に砕けたガラスのような心がキラキラと輝いている物語。

絶望と孤独から垣間見える微かな光を追い求めてしまう。

それは誰でもそうでしょう。

終わり方はあれで良かったと思う。

 

思春期が持っているあの想いの強さ。

その強さが登場人物の表情によく映えていて、その顔を見ると胸が締め付けられる。

僕もあんな顔をしていた時があったような気がする。

隠しきれない表情が素敵だ。

 

大人になるにつれて折り合いをつけていくということ。

それに従って秘密は徐々に薄れていく。

アイデンティティは制服やスーツを着せられて画一化される。

何事もツラい事も自分に言い聞かせるようになる。

ある意味で楽になっていく。慣れていくことで。

でもそれだけじゃつまらないと思う。

 

僕は中村さんが美しい夕日を眺めている心境がわかる気がする。

(でも作品の中で彼女は普通じゃないしわかった気になっているだけかもしれない)

それは苛立ちと葛藤と絶望を越えた先にある諦観でしょう。

自分を殺してと内側で叫んでいた彼女はそれでも世界は廻転し続けてこれからもずっと生きていくんだということを受け入れる。

でもきっと彼女は一生抱えていくんだと思う。

その一生の中での救いはキラキラした思春期の春日君との思い出なのかもしれない。